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コラム

【柔整】労災保険の取り扱いと請求の流れについて

2026.01.23

交通事故や日常生活での怪我と異なり、対応頻度はそこまで多くないものの、確実に押さえておきたいのが「労働者災害補償保険(以下:労災保険)」の取り扱いです。
今回は柔道整復療養費における労災保険の基本的な請求について解説します。

労災指定・指名番号はお持ちですか?

まず前提として、整骨院・接骨院で労災保険を取り扱うためには、あらかじめ労働局へ申し出を行い、
「労災保険指名柔道整復師」としての「指定・指名番号」を取得しておく必要があります。

まだ取得されていない場合は、管轄の労働局で手続きを行いましょう。
この番号がないと、労災保険の利用を希望の患者様がご来院された際、原則として患者様がいったん全額を自己負担し、
後日患者様自身が請求を行う「償還払い」
となってしまい、患者様の負担が大きくなってしまいます。

「業務災害」と「通勤災害」

労災には大きく分けて2つの種類があります。

  • 業務災害
    仕事中の作業や、業務に関連する行為が原因で負傷した場合(例:荷物を持ち上げた際に腰を痛めた、作業中に転倒した等)。
  • 通勤災害
    自宅と勤務先の往復など、通勤経路上の移動中に負傷した場合(例:出勤途中に駅の階段で転んで捻挫した等)。

どちらのケースであっても、施術所としての基本的な療養費請求の流れは同様です。

請求書作成の3ステップ

1. 事業所による請求書の記入
まず、患者様が所属している事業所(勤務先)にて、下記の「請求書様式」を用意し、
必要事項を記入してもらう必要があります。

  • 業務災害の場合:様式第7号(3)
  • 通勤災害の場合:様式第16号の5(3)

☆いずれも用紙に「〇柔(丸のなかに柔)」の記載がある、柔整用の様式になります。

2. 患者様による書類の持参
事業所の記入が完了した請求書を、患者様に院へ持参していただきます。
受付時に、今回の負傷が労災利用であることを確認しましょう。

3. 施術と請求期間について
施術を行い、請求書を作成します。 ここでよくある疑問が「請求期間」です。
労災の請求書1枚で請求できる期間に、法律上の明確な定めはありません。
しかし、一部の地域の労働基準監督署では「1日から末日までの1か月単位での提出」を推奨されていたり、
また、いずれの地域でも基本的には「施術後のすみやかな提出」が推奨されています。
★柔整の保険請求と同様に、施術日から2年を過ぎると時効となり請求ができなくなってしまいますのでご注意ください。

提出先にご注意ください

作成した請求書の提出先は、「患者様が負傷した事業所の地区を管轄する労働基準監督署」となります。
施術所の管轄でも、患者様の住所地の管轄でもありません。また、本社と患者様の所属事業所の所在地が異なる場合は、
「患者様の所属事業所を管轄とする労働基準監督署」が提出先となりますので、提出の際は宛先を間違えないよう十分にご確認ください。

【補足】通勤中の自動車交通事故の場合

通勤中の自動車事故(第三者行為の事故で患者様が被災者)では、
被災者は「労災保険」と「自賠責保険」の両方から補償を受ける権利を持っています。
しかしこの2つは同時に請求することはできず、いずれかを先行して受け取るルールになっています。

・「労災保険を先に使う」か、「自賠責保険を先に使う」か、
どちらを先に請求するかは患者様ご自身が自由に決めることができます。
・同じ施術の費用を労災と自賠から受け取るなど、同一事由の費用を二重に受け取ることはできません。
・先に受け取った保険でカバーしきれなかった分がある場合、その「差額分」のみをもう一方の保険に請求することになります。

患者様の過失割合や限度額などを考慮して、どちらに請求を先行されるか施術前に予めご確認ください。

最後に

問診時に「職場での作業中に負傷した」「通勤途中に負傷した」と確認された場合は、健康保険の使用はできません。

「手続きが面倒だから保険証でいいよ」とおっしゃる患者様もいらっしゃいますが、
これは「労災隠し」や不正請求につながるリスクがあります。
原因が労働災害にある場合は、必ず労災保険をご案内し、正しく適用するようにしましょう。

「さくら接骨師会」では、「指定・指名番号」取得の手続きや、労災請求書の記入内容確認、労働基準監督署への提出を行っております。
ご入会についてのお問い合わせは、お電話またはお問い合わせフォームからご連絡ください。

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