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あはき一部負担金の正しい徴収の仕方(2)

2020.03.05

続・あはき一部負担金の徴収について

前回の記事に関して、このようなお問い合わせをいただきました。

「受領委任は規程があるのでレセコンで出た金額を徴収するようにするが
代理受領の場合、四捨五入して下回って徴収した場合はどうなりますか?」

今回はその疑問にお答えいたします。

まず、あはき柔整は『療養費』になります。
『療養費』の取扱いとして、患者は施術を受けるために施術費用の全額を支払い、その内健康保険の適用となる金額を保険者へ請求して『療養費の給付を受け』ます。(償還払い)

実際には【受領委任】【代理受領】のどっちが適用であっても、根本のルールが「償還払い」であることをまずは頭に入れておいてください。

そして【償還払い】の根本は【自由診療】です。
施術にかかった費用に関しては施術者が決定し、それを患者に100%請求することができます。

分かりやすい例が海外療養費です。
海外では日本の医療保険のルールは適用されず、全額自腹で海外の医療を現地の金額で受けることになります。

つまり、療養費の規程金額はあくまで「上限規程」であり
元々患者が支払った金額が規程金額以下の場合は、実際に支払った金額に保険者負担割合を乗じた金額が償還されます。

代理受領の場合はこの計算が患者が支払った一部負担金から逆算する形になります。

つまり、はりきゅうの療養費に当てはめると次の通りです。

※共通の設定として 患者は保険証の負担割合1割。
受けた施術は「はり1術」
療養費の支給基準での金額は「1術 1,540円」
療養費の支給基準での一部負担金は「154円」が上限

①窓口での徴収額を「154円」とした場合
費用額(10割)は「1,540円」
患者が保険者から受け取る療養費の額(9割)は「1,386円」

②窓口での徴収額を「160円」とした場合
費用額(10割)は「1,540円」
上限「154円」を超えた部分は自費診療分「6円」
患者が保険者から受け取る療養費の額(9割)は「1,386円」

③窓口での徴収額を「150円」とした場合
上限「154円」を超えないので、150円から逆算して費用額(10割)は「1,500円」
患者が保険者から受け取る療養費の額(9割)は「1,350円」

つまり保険者にはレセコンで計算した①の金額でレセプトの申請をしていても、実際の窓口での徴収額が③のパターンの場合、保険者支払い分の調整が行われる可能性があります。
また、不正請求に当たる可能性もあります。

以上のことから答えは【四捨五入して徴収してもかまわないが、その場合はその金額から計算される保険適用分しかレセプト申請できません】となります。

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